|ラドアンテナTop|製作のノウハウ|製作・調整に必要な測定器 |設置方法|性能検証|技術考察(1)|技術考察(2)|失敗作例|他のアンテナとの比較考察|よくある質問集(Q&A)|自作ユーザー各局のご紹介|
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スーパーラドアンテナについて色々なご質問を受けるようになってきました。そこで、今迄受けたご質問や私自身が解決してきた事項についてのQ&A集を作っておけば、このアンテナに興味を持たれた方のお役に立てるかもしれないと思いました。このQ&A集に掲載して欲しいご質問等がございましたら、当局宛にご連絡ください。(JF1TLT)
Q1:CMF/コモンモードチョ-ク(CMC)は入れた方がいいのですか。
A:スーパーラドは不平衡なアンテナと考えられますから、同相電流の発生はあり得る現象です。発明者はCMCをTX側に入れることを推奨しています。これは調整不良等によって突発的に発生が予測される同相電流からTXを守る目的と、アンテナ側から発生した同相電流をTXに流し込まないためです。当局は、きちんと調整されたSRAはCMCを絶対に挿入しなければならないとは考えていませんが、挿入するなら、セオリー通りに周波数の1/4λ位置、その奇数倍位置又は1/10λ位置、TX直後の3箇所以上に挿入すれば良いと思います。同相電流を減らすことはアンテナの性能の向上に繋がります。同相電流が同軸に大量に発生している状態ならば再調整が基本です。また、スーパーラドはボビンの下側方向にも輻射がありますので、垂直に設置した場合は同軸への誘導輻射が考えられますが、当局の今までの知見からは大きな誘導は知りません。
同相電流を減らす方法は本編で記述していますのでご参照ください。
Q2:アースは絶対に必要なのですか。
A:絶対に必要な訳ではありません。それでも、アンテナ直下のアースは強く推奨します。このアンテナは、アンテナ側がハイインピーダンス、高圧になるため電位的に不安定です。この高圧がフィーダを電圧給電すると同相電圧を生じます。(同相電流ではありません。)そこで、アースで多少の電流を逃がしてやることで電位は容易に固定できます。安定な動作を望むなら、アースはすべきです。スーパーラドは不平衡なアンテナですから同相電流の発生があります。これをいかに減らすかがS/Nが良く飛びのいいアンテナになるかの一つの鍵です。充分に調整が取れたSRAでは同相電流は殆ど発生しません。アンテナ直下のアースは、Q1での同相電流を減らす方法の一つでもあります。
Q3:共振周波数は合っていると思うのですがどうしてもSWRが下がりません。
A:SWRはインピーダンスが整合すれば自ずと下がるはずです。インピーダンス変換はリンクコイル方式であれタップ方式であれ必ず調整出来ます。ただ、真の共振点であるかどうかが重要です。共振点ではリアクタンス分は0のはずですから、リンクコイル式の場合では、巻数の増減と位置で整合するはずです。
Q4:同軸を繋ぐと周波数がコロコロ変わってしまいます。
A:偽共振点で調整してしまった可能性があります。正しく調整された状態では同軸の長短でインピーダンスや共振周波数は大きく変化しません。再度調整し直してください。但し、1/2λの整数倍の同軸長は避けるべきです。
Q5:室内で調整して屋外に上げたら周波数が上がってしまいました。
A:スーパーラド(特に、C成分の少ないシリンダタイプ)は周囲の環境に左右され易いアンテナです。室内ではアンテナとの間にキャパシタンスを形成する対象(例えば、人体、金属類等々)が多く存在します。そのため、室内調整された状態の共振周波数は空中等に設置すると周囲のキャパシタンスの影響が減少して周波数が上昇します。
屋内調整時で目的周波数、最良SWRとなったら、それは周囲の付加C込みではありますが、共振周波数、インピーダンスともに合っている訳ですから、屋外に上げた場合には共振周波数調整のみを行い、SWR調整はしないことです。リンクコイル式の場合に、周波数調整しようとしてリンクコイルの位置を変えるような調整は絶対にしないことです。
また、屋外では全く性能が低下し、いくら調整しても性能が上昇しない場合には共振周波数が違っている(ゴーストで調整してしまった)ことを疑ってください。
Q6:短縮アンテナではないのですか。
A:短縮されている、されていないはそのアンテナ構造の本質を見なければ判りません。例えば、トップロードアンテナではないかとのご指摘もありますが、ならば、コイル・シリンダのみで構成されるスーパーラドではコイル・シリンダ以外の部分がアンテナエレメントとして作用しなければなりません。同軸、アースなどです。ここに輻射が無ければアンテナとしては全く機能しないであろうことは容易に想像出来ます。スーパーラドは同軸やアースからの輻射を抑える調整を行った場合に性能が発揮されます。良く調整されたスーパーラドアンテナの同軸やアースなどに電界強度計を近づけて計測してみても輻射の程度は無視出来るレベルです。スーパーラドはコイル・シリンダのみで構成されるアンテナであり、短縮アンテナでは無くフルサイズアンテナであると思います。
Q7:どうしても同軸からの輻射が減らないのですが。
A:同軸からの輻射は同相電流が発生しているからです。
同軸に高周波が流れている状態ではS/N比が非常に悪くなるほか、性能も出ませんから充分に対策されることをお奨めします。
Q8:このような形状のアンテナが飛ぶアンテナだとはとても思えないのですが。
A:正直、私も当初はそうでした。論より証拠。まずやってみることをお奨めします。新鮮な驚きが貴方に訪れるかもしれません。
Q9:シリンダー又は円板からの二次誘導による輻射が原理だと言うことですが、同軸ケーブルその他のケーブル類からの輻射ではないという証拠はあるのですか。
A:以下のような例があります。
これらは、シリンダや円盤からの輻射であると考えないと説明の付かない現象だと思います。
Q10:フェライトを使用したタイプもあるそうですが、それはバーアンテナではないのですか。
A:スーパーラドの基本は空芯です。フェライトの利用は空芯タイプの実験中に出たアイディアの一つに過ぎません。空芯タイプより小型化できること、調整の容易さがメリットです。しかし、残念ながら現在の知見では空芯タイプに比べると性能的にはかなり劣っているようです。また、コア材の磁気飽和の問題もあり大出力用の製作にも難点があります。あくまで、空芯タイプの変形です。しかし、フェライトによる損失が無視出来るであろうLF帯(例えば135KHz)では小型化にメリットが見出せると思います。
Q11:SWRは1.2以下なのに全く飛ばないです。
A:「SWRが良い=調整がうまくいっている」とは考えないでください。スーパーラドに限らず全てのアンテナは共振周波数が合致していることが最低条件です。その共振周波数に於いて送信側のインピーダンスとアンテナ側のインピーダンスが合致していれば良い筈です。ワイヤーアンテナであれば共振周波数はワイヤーの長さで大体の見当が付きますがスーパーラドではそれが多少難しいために目的の共振周波数になっていない状態で調整をしてしまう事がままあります。やっかいな事に、ずれた共振周波数でもその周波数でインピーダンスが合っていれば良いSWRを示してしまいます。SWR最良値を探すような調整法は泥沼にはまり易いのでお気をつけください。
又、VHF以上ではボビンの材質に気を付ける必要があります。塩ビなどでは高周波特性が良くないため、損失が大きく、SWRは良くても性能の悪いものになります。コンデンサに使われるような材質(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなど)をお奨めします。
設置環境はどうでしょうか。受信は室内や低い位置でも良好な場合がありますが、そのような環境では良好に飛ばないことがあります。フルサイズアンテナであることを忘れず、設置環境を見直すことも必要な場合があります。
Q12:調整にはどの程度の測定器があればいいのですか。
A:最低限必要な測定器と言う定義が難しく、各局の技術レベルに左右されるでしょう。この程度はあった方が良いと思える測定器を列挙してみます。(重複がありますので、いずれかを選択してください。)
1)ディップメーター、ノイズジェネレーター又はノイズブリッジと受信機。
2)アンテナアナライザー(±jXが計測出来れば尚良い)
3)インピーダンスブリッジ、リターンロスブリッジ
4)SWRメーター
5)小出力(5W以下)が出力出来るTX(トランシーバー)。
必要な事は、共振周波数を知ることとアンテナインピーダンスを知る事の2つです。
アンテナアナライザーは便利ですが万能ではありません。アンテナアナライザーが無い方は、ノイズブリッジやノイズジェネレーターの自作をお奨めします。受信機との組合せで共振点を知ることが出来ます。インダクタンスを知るためのLCメーターもあると便利です。ネオン管や蛍光灯もあれば便利ですし、何より楽しいです。Hi
Q13:ニセ共振(ゴースト)か本物かを見分ける方法を教えてください。
A:以下の各方法で判別します。正確を期するため、複数の方法で確認してください。
(注)ニセ共振=ゴーストは周波数帯によっては必ずしも悪い面ばかりではありません。共振周波数を含む連続したゴーストによって広帯域のバンドワイズが取れる場合があるからです。但し、この方法はスーパーラドの製作に熟知された方のみにお奨め出来る方法であって、最初はゴーストは排除すべきです。
Q14:以前には販売されてたようですが。
A:DETECHから販売されていましたが、現在アマチュア用は販売されていないようです。
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